ホテルのラウンジでアフタヌーンティーコースを頼む。
ラウンジからはガラス張りの窓から人工的に作ったのだろうか竹林が見える。
日光が竹林に向かって差している姿は映えるので、いつも窓側の席は満席になる。
 平日の昼間なので席が取れた。
「やっぱりここのスコーンは美味しいわ」
 結花は器用にスコーンを崩しながら食べる。
 セットのダージリンティーもまずまずの味だ。
 周りは友人同士や親子連れなどで賑わう。
 結花と同年代の女性よりどちらかと言うと、周子ぐらいの50代の女性が目立つ。
 結花としては、自分と同い年の子が汗水たらして働いてるのを横目に、のんびり大好きな母とランチやアフタヌーンティーをしていることで、優越感に浸っていた。
 その証拠に、注文の品が出た瞬間に、スマホのカメラで撮影して、SNSに投稿していた。
 これがたまにではなくほぼ毎日だ。
 羨ましいですねとか美味しそうとか好意的なコメントが目立つ。
 それを見るたびに「私はあなた達と違って妻が働かずに済むのよ」とマウントをとっている。
 ちなみに支払いは悠真のクレジットカードだ。
 ランチ代やブランド品など、2人が購入したものは、悠真に請求が来る。それが当然だと思っている。