お手伝いさん達に任せっきりで日中はなにもしていない。
 浪費が激しい理由は妻とその母親の買い物によるもの。
 学校内のトラブルは全て妻両親が頭下げてお金だけ支払って終了で、妻自体にお咎めなし。
 学力に見合ってない大学に行っているが、妻の母親がお金積んで進級させた。
 地元では家の名前に笠に威張り散らして、素行が悪いことで有名だった。
 

 ――妻はガチの『問題児』で、『いじめっ子』だったとは。

 娘の担任の気持ちが分かる。もし自分がその立場だったら。いじめっ子の娘が自分の担任で受け持つことになったら。大人の対応が出来る自信がない。

「これ、結婚の時に聞いてたのと全然違うな」
 日記帳が入っていたダンボールから分厚いバインダーを取り出した。
 タイトルは書いていないが、中身はお互い結婚する時に身辺調査なるものをやってもらった。
「これさ、見てほしいんだ」
 妻のプロフィールから、どんな過去を歩んできたか、現状などなど。
「なんかめちゃくちゃ美化されてないか? だって、容姿端麗家庭的、性格は穏やかで、昔からいじめられっ子だった……って」
「全然違うじゃん」
 3人で思わず吹き出す。
「多分結花さんのお母さんが絡んでそうだな。盲目的に娘のことを信じ切ってる所あるから」