「もうSNSで夫の悪口書いたら凄いフォロワー増えたよ。あとは私のファンね」
 元々結花は自己顕示欲が強い。ちやほやされたい願望があり、自分のキマっている写真をバンバン載せている。それかどっかにランチ行ったとか遊びにいったとか。それで周りにマウントを取っている。
 悠真と結婚してから、夫の悪口を嘘ついてでもバンバン載せている。その結果、同類の人達からフォローが増えた。
 
 ――悲劇のヒロインというのは非常に美味しい立場であることを味をしめた。
 見た目が可愛い子が夫に蔑ろにされている。
 それだけで同情を十分得られる。

 当然悠真はこんな状況を知る由もない。そもそもSNSのアカウントなんて教えてない。見せたくもない。
「結花ちゃんは可愛いからみんなから愛されるのよ」
「当然よ。私は世界一可愛いんだから」
 結花は「もうお腹いっぱいだから出よ」と促す。
 さて次はアフタヌーンティーだ。