3人は面会を申し出て悠真がいる部屋に案内された。
 4人部屋で1番入り口手前に依田悠真のプレートがあった。
 他に男性3人が入院している。
 水色のカーテン越しに悠真と談笑する声が聞こえる。
 陽貴がカーテンを開けると、陽鞠が既に丸椅子に座っていた。
 白のパジャマ姿の悠真はベットを上げて陽鞠に笑顔を向ける。
「ゆーちゃん、ごめんねぇー! 昨日忙しくってさ、来れなくなったのぉー、許して」
 結花は悠真の顔を見るなり、胸元に抱きつくようにして号泣して、病院に行けなかったことを弁解する。
 結花が泣いてるそばで「可哀想に……」と周子が背中を摩る。
「ほら、泣かないで? 悪い、陽鞠、台に置いてあるティシュお母さんに渡して」
 陽鞠は無言で結花を見ながら渡す。
「なんなの、陽鞠ちゃん! お母さんにそんな態度で! 失礼じゃない?!」
 陽鞠の態度を見た周子はキーキー言いながら注意する。
 陽鞠も陽貴も結花がわざとらしく泣いてるフリをしているのを分かっていた。
 本当に泣くのなら、嗚咽をもらして、下手なことは言わないから。
「まぁ、元気そうでよかったわ。さあ、これからすぐ退院して、結花ちゃんのために働いてもらうわよ!」
 周子の発言に結花も同調して、さあ、早くベットから降りてと促す。