毎日離婚の単語が悠真の頭の上で踊る。
 両親から顔を合わせる度に「大丈夫か? 何かされてない?」と聞かれるが、気丈に振る舞っている。

 ――依田さん、あなたカウンセリング行ってください。直ぐに。

 先日健康診断で医者から言われた。
 結婚前に比べて痩せてきている事、顔色悪いこと、このままだと鬱になってしまう事。
 医者の紹介で近所のカウンセリングを併設している病院にいった。
 家での状況を他所に話したのは初めてだった。
 妻から蔑ろにされている、ワガママに振り回されているなど。

 ――このままだと鬱になるよ。ストレスの原因から離れないといけないね。

 遠回しに離婚をすすめられた。それと同時にやっぱりした方がいいのかと腑に落ちた。
 カウンセリングも健康診断のお金も結化にしぶられたので、独身時代のお金で行った。
 両親に話したら、離婚した方がいいと。仕事は任せなさいと。
 悠真は今日働いたら暫く休もうかと考えているところだ。
 しかし結花にしばらく休むなんて言ったら……柊真は想像しただけで頭が痛くなった。
 徐々にまぶたが重くなって本格的に寝てしまった。
「社長! 起きて下さい!」
 目が覚めたのは休憩終了から30分後だった。