窓を閉めて、ガチャリと固く鍵をかける。
蘇る記憶にも蓋をして、頭の中で鍵をかけた。
……部活、行かないと。
その存在を思い出し、どんよりと気分が落ち込む。
怒りやらなんやらですっかり忘れていたけれど、今日は普通に部活の日だった。
時計を見ると、開始時刻をとっくに過ぎている。
完全な遅刻だった。
────もういっそ、帰ってしまおうか。
そんな狡い考えが浮かび、目を瞑って天井を仰いだ。
いつからわたしはこんなふうに思ってしまうようになったのだろう。
もともとバスケは嫌いじゃなかったし、サボるだとかは基本できない質だった。
それなのに、今では引退を心待ちにしている自分がいる。
いかに楽をして部活を終えようかと考えている自分がいる。