机の上に書類を置いて、個人ロッカーに向かう。
学級委員の仕事があって、鞄の準備がまだできていなかったのだ。
クラスメイトたちはとっくに帰宅したり、部活に行ってしまったため、教室にはわたしだけが一人取り残されているみたいだ。
黙々とロッカーから鞄と資料をとって、再び席に着く。
引き出しの中にしまったままの教科書類をがさっと取り出すと、ずしりと重かった。
窓に視線を遣ると、わたしの沈んだ気持ちには似つかわしくない、真っ青な空が広がっていた。
雲一つなく、美術に疎いわたしが見る限りでは一色で染められた空。
きっと、この空は一色じゃなくて、少しずつ変化しながら広がっているのだろう。
引き寄せられるように窓に近寄って、その窓を開ける。
その瞬間、あたたかな春風がふわりと入ってきて、髪の毛が揺れた。