まゆずみ。まゆずみ。まゆずみ。きもちい。とまらない。てが、とまらない。なみだが、とまらない。からだが、あつい。まゆずみ。まゆずみ。おれは、こんな、こんなこと、くりかえして。くりかえして。きもちい。きもちい、なんて。いやだ。おめが、いやだ。はつじょう、いやだ。いやだ。きもちよすぎる。いやだ。

 匂いに煽られ、発情に煽られ、黛のタオルで黛を感じながら、俺は自分で自分を慰めた。黛の匂いがたまらない。黛の声がたまらない。黛の指がたまらない。黛の手がたまらない。黛の熱がたまらない。黛の嗜好がたまらない。

 気持ちいいね。きもちい。いやだ。気持ちよくなってるね。きもちい。いやだ。苦しいのに気持ちいいね。きもちい。いやだ。気持ちよすぎておかしくなっちゃうね。きもちい。いやだ。俺の匂いで興奮してるんだね。きもちい。いやだ。可愛いね。きもちい。いやだ。やらしい音だね。きもちい。いやだ。達きそうだね。きもちい。いやだ。達っていいよ。きもちい。いやだ。瀬那。瀬那。瀬那。きもちい。いやだ。瀬那は俺のオメガだよ。きもちい。いやだ。いつか絶対番になろうね。きもちい。いやだ。瀬那。

「あっ……、ん……」

 脳内で、今の俺を見て黛が言いそうな言葉を彼の声で再生させ、自ら興奮を煽るという酷い妄想をいやだいやだと言いながらも繰り広げてしまった俺は、押し寄せる快感に喘ぎながらビクビクと体を痙攣させた。涙が頬を伝っていた。恐怖が全身を貫いていた。

 気持ちよすぎて、気持ちよすぎて怖くて、怖くて頭が真っ白になって、頭が真っ白になって何も考えられなくなって、何も考えられなくなって思考が停止して、思考が停止して虚無を感じて、虚無を感じて落ち着いて、落ち着いて考えて、考えて思うのだ。自慰じゃ足りない。足りない。もっと。もっと。欲に塗れたものが欲しい。欲しい。植え付けて欲しい。と。