男の子が二人、木々の間に現れた。こちらに向かって来る。

 兄弟かしら?背の高い子と低い子が、話しながら近づいてくる。

 お茶会に参加している貴族子息たちに違いない。

 まさか、この木に向かって来ている?

 もっと上の枝に移る?

 見上げてみたら、すぐ上の枝でもかなりの高さがある。幹をよじ登ろうとしたら絶対にバレてしまう。

 焦ってどうするかを決めかねている内に、二人はこの木の下で立ち止まった。