そして、即実行に移した。

 なにせはじめての場所である。なにもわからないまま、ただ森の奥へと向かった。

 そして、木登りに最適な大木を見つけた。

 いまとなっては、どんな種類の大木だったのかはわからない。ただ、森の精霊が集っていそうな古くて大きな木ということしか覚えていない。

 さっさとその木に登った。

 まだ四、五歳だったけれど、どんな木も登ることが出来る自信があった。

 下から数えて三本目の枝まで登り、そこでボーっとすることにした。