そんなわたしがドレスを着用するなんて……。

 まず、そこからだった。

 お父様とお母様とお姉様に折檻され、無理矢理ドレスを着用させられて王宮に送り込まれてしまった。

 じつは、この時期戦争中で軍人だった兄が行方不明になってしまった。

 優秀な兄で、将来将軍になることが予想されていた。そして、バトーニ公爵家をより繁栄させるであろうことも想像に難くなかった。

 両親の期待はすさまじく、その兄が行方不明になったことで落ち込み方は半端なかった。

 それがそのまま、わたしに対しての態度につながった。