「お下がり令嬢」とはいえ感情だってあるし、矜持だってあるの。

 すべてを否定され、憎まれ、蔑まれ、存在自体を消され、そんな人生にはもう飽き飽きだわ。

 腹をくくった。

 不思議とすっきりした。

 たぶん、こういうことを自暴自棄っていうのね。

 息を普通に戻し、それから歩を進めた。

 夫であるはずの将軍と対決する為に……。