「うわぁ、美味い。すごくやさしい味ですね。このシチュー、ライ麦パンによくあいますよ」

 さすがは気遣いの男である。

 ロランは、ムダに大げさに褒めてくれる。

「ねえ、兄上?すごく美味いですよね」

 そして、彼は涙がでてしまいそうなほど努力してくれている。

「ふんっ!」

 が、ロランの気遣いと努力は、鼻を一つ鳴らされただけで終わった。

「どうせコンスタンが作ったんだろう」

 さらには、わたしを全否定してきた。