「ええ。そうですね」

 わたしのその返答は、諦めの気持ちが存分にこもっていた。

 ロランに促され、軍の宿舎へ向かった。

 すでにわたしの荷物は馬車に積み込まれている。

 とはいえ、トランクが山ほどあるわけではない。

「愛する人は複数人いる。その中におまえは入っておらず、この先もけっして加わることはない。父上の命だからこそ従っているが、ほとぼりが冷めればさっさと追いだしてやる。ちなみに、おまえの姉も愛人リストに入っている。彼女は、クソ異母弟のクロードに婚約破棄を突きつける。その後は、リストのトップに躍りでるだろう」