あいつったら、いったいなんなのかしら?

 なにが「ひきこもり王子」よ。

「妃殿下、妃殿下っ」

 ロランが追いかけて来てくれた。

 彼はとてもいい人なのに、同腹の兄はどうしてあんなのかしら?

「ほんとうに申し訳ありません」

 足を止めて振り返ると、彼はすぐに追いついてきて深々と頭を下げた。