「きみに毒殺とは言えないよ。きみだけでなく、王宮内がパニックになるからな。レオナールがどうしてそんな凶行におよんだのか、だ。きみの両親には、なにか秘密や隠し事があったのかもしれないな。個人的なことなのか、それとも政治的なことなのか……」
「それで、これからどうするの? このまま亡命した方がいいかもしれないわよ」
「そんなことが出来るわけないだろう? ここには、一万人近い将兵がいるんだ。この土地の民だっている。いいや。こうなってしまった以上、この国じたいの人たちのことをかんがえなければならない」