「もういい。これ以上、話し合ってもムダだ。シュエット、ひきあげるぞ。おっと、ロラン。馬に乗りたい。乗せてくれ」

 はい?お兄様、それってどういう急展開?

 律儀でやさしく気遣い抜群のロランは、お兄様に手を貸して馬に乗せてあげた。

 シュエットは、そのお兄様の前に飛び乗りちょこんと座る。

「お兄様っ」
「リン、クロードとしあわせにな。クロード、妹を泣かせたら承知しないぞ」
「え、ええ。もちろん、だれよりもしあわせにします」