「クロード、いまよっ!」
「おいっ、リン」

 お兄様が腰をひねりつつわたしをふりほどこうとするも、ふんばって負けなかった。

「キンッ」
「カッ」

 金属どうしが触れ合う音が響いた。

 お兄様の腰に必死に抱きついたまま、見上げてみた。

 なんてこと……。

 お兄様は、クロードの長剣による突きを戦闘用ナイフで受け止めている。しかも、心臓のある位置のすぐ前で。