「そんなことが出来るわけないでしょう?兄上、いくらなんでも妃殿下に失礼です」
「失礼なことをされているのはおれの方だ。違うか?ったく、クソッたれのお下がりだぞ。というよりか、諜報員と同じじゃないか。ロラン。おまえは、そんな諜報員まがいの女を連れて来たんだぞ」

 な、な、なんですって?

 ますます混乱してきた。

 目の前がチカチカしている。