「膝枕で耳垢を取るほどの仲なんだな?」
「いえ、お兄様。その話題はもう終わったわ。それは忘れてちょうだい」

 いつまででもこだわるお兄様に、思わずツッコんでしまった。

「わかった」

 お兄様は、素直にうなずいた。
 ほんとうにわかってくれているのかしら。

「さあ、どちらが先に勝負をする?せっかくリンを奪いに来たんだ。力づくで奪ってもらわねばな」

 お兄様は、挑発すると左手を背中にまわして器用に戦闘用ナイフを抜いた。

 え?

 それを見てはじめて気がついた。