お兄様は、そう言ってから短く笑った。

 だけど、クロードは無反応を貫いていている。

「お兄様だって?ディアーヌの兄ということなら、おれの義兄じゃないか。だったら、どうにかしてくれ。おれを王都に連れ帰り、王太子としてつつがなくすごせるようにしてくれ」
「だまっていて」

 いまさらすっとぼけたことを言いだしたマリユスに、お姉様がピシャリと言った。