すくなくとも、王都からここにいたるまでに通過してきた町や村とは、比較にならないほどの規模である。

 通過しただけだけど、街は王都よりも平和で栄えている感じがする。

 街の人たちも、ロランに手を振ったり、わたしに会釈をしてくれる。

 王都ではフードを被るように言われたけれど、ここではそんなことは必要ないと言われた。だから、素顔を晒している。

 街の中心地に広場があり、たくさんの店が並んでいる。

 今日は、週に一度の(いち)の日なのだとか。

 多くの人で賑わう(いち)の様子を見ながら、ここは別の国なのかと思った。

 街を抜け、さらに国境に近いところに、軍の駐屯地がある。