それはともかく、二人は自分たちの異常なまでの行動はスルーした。そのかわりに、裏口から入ってきたわたしたちを非難した。

「……」
「……」

 クロードと二人、無言のまま厨房内を見まわした。

 彼と二人で決めたのである。

 様子をみるために、久しぶりに演じてみようと。

 昔に演じていたように、いままた自分の本性を隠して「ひきこもり王子」と「お下がり令嬢」を演じてやろうと。