だけど、気が多すぎる。お姉様を気に入る貴族子息はたくさんいて、お姉様は適当に遊んでいた。たまたま、宰相の子息と浮名を流しているときに、わたしがマリユスに嫁がねばならなくなった。王家との約束があったからである。

 そのとき、お姉様は国王陛下にクロードはどうかと勧められ、驚くべきことに了承した。

 じつは、お姉様はずっとわたしの夫であるマリユスといい仲だった。

 二人は結託し、クロードを永久にひきこもらせてやろうと思いついたのである。

 そう。それはまさしく、思いつきだった。