「王都から命からがら逃れてきたようですね」

 ロランもクロードとわたし同様気がついている。

「チッ!いっそ野垂れ死んだ方がよかっただろうに」

 クロードがつぶやいた。

 そのつぶやきに胸騒ぎを覚えてしまった。

「このままだと、王族は捕らえられて民衆の前で斬首される。マリユスはもちろん、ロランとおれもだ」
「そんな。どうにかならないの?」
「リン、そんな顔をするな。おまえはぜったいに死なせやしないから」