「大丈夫、じゃないよな?」

 そのかわり、いままできいたことのないやさしい声で尋ねられた。

 正直、ホッとした。それから、ちょっとだけうれしかった。

 クロードがわたしのことを気にかけてくれている。
 それがうれしいかったのだ。

「ええ。正直なところ、平静ではないわ」

 クロードとロランに心配をかけてはいけないと、微笑しながら答えたつもり。

 だけど、自分でもその笑みが強張っていたのがわかった。