「レオナール・オリヴィエ公爵子息は、ぼくの剣の師匠であり憧れです。まだ幼年学校に入る前、こっそり教えてもらっていたのです。まだ幼く、剣の重みに耐えられないほど小さなぼくに、剣の基本と剣士の精神を叩きこんでくれました」
「どういうことなの?兄は、兄がオデール国の諜報員なの?」
「リン、落ち着け」

 ロランに迫っていた。
 クロードの手が肩に置かれ、それでハッとした。