「妃殿下。おそらく、あなたに剣のつかい方を教え、先程見せていただいた傷を負わせた人物と同じ人物です」

 しばらくの後、ロランが言いにくそうに言った。

 その言葉を理解するのに、しばらく時間を必要とした。

 そして、それを理解したとき、大げさかもしれないけれど体全体に衝撃が走った。

「ま、まさか、お兄様?」

 自分でも声が震えていたのがわかった。

 ロランは、無言のままうなずいた。