上流階級が襲われたりするということがわかるような気がする。

 目を閉じ、耳をふさぎたくなってきた。

 だけど、それではダメ。この光景をしっかりと目に焼き付け、耳に入れておくのよ。

 王都を出るまで、何度も自分に言いきかせねばならなかった。

 王都を出、たくさんの町や村を通過したけれど、状況は王都とさほどかわらない。

 国全体がこんな感じなのかしら?生活に困らず、それどころか贅をつくしているのは、わたしたち上流階級やひと握りの特権階級だけだわ。

 そうかんがえると、急に恥ずかしくなってきた。同時に、腹立たしくなってきた。