「あ、兄上、大丈夫ですか?」

 小さい方の子がなだめたりすかしたりするけれど、大きい方の子はただ泣き叫ぶだけである。

「ふんっ!男のくせに泣くなんて、みっともなさすぎよ。あんただってお茶会を抜けだしてきたんでしょう?わたしをバカにしたバツよ」

 そう怒鳴ると、さっさと歩きはじめた。

 ジンジンする拳を、彼の泣き声を背中でききつつギュッと握りしめてしまった。