貴族も、王都を移動中に石を投げられたり襲撃されたりしている、ときいている。

 いったいどうなってしまうのから。

 ずっと不安ではある。

 そんなことをかんがえながら、荷馬車の馭者台に乗り込んだ。

 馭者は、真っ赤なほっぺをしているこれまた可愛らしい兵士である。

 出発をした。

 これでおさらばね。

 戻ってくることなんてあるのかしら。

 演習場から街へ出ても、二度と王宮を振り返ることはなかった。