ヒナタ君は美容師な所為なのか、髪の毛の匂いを嗅ぎながらセックスする。




 仮眠用にと置かれたソファーベッドの上で、軽い愛撫の後、勢い任せに挿入された。




「―――あッ、あん....きもちぃ....もっと....」


 

 久し振りの人肌に抱かれて、別に大きい訳でもないが満足のいく適度なヒナタ君の身体。

 
 だけど、あれ....奥まで届かなかったっけ?と物足りなさを感じるのだ。



 彼も彼で必死に腰を振り続けて押し付けてくるのだが、少し長さが足りない。どうも壁にぶつからないのだ....。




 髪の毛を掬いあげられながら、独りでに果てたヒナタ君を騙す様に、私はいった振りをした。



・・・あれれ、私なんでいけないの?




 突かれてる時は擦れて最高に気持ちいいのに、いけそうでいけないもどかしさ....。


 こんな経験今までにあっただろうか。



 いや待て、これからエッチ出来る!!って思っただけでムラムラして濡れちゃう様な痴女よ?わたし。


 中を穿られる快感で勝手に果てちゃう。いつもなら.....ね。






「杏ちゃん枝毛切ってあげようか?」


「.....うん。お願い。」



 欲を出しきってスッキリしたヒナタ君は、下着を履いて立ち上がると、フロアの方へと向かってしまった。




 取り残された私は、いけなかった虚しさでその場に座り惚けていた。