…でも。

「星ちゃん、誕生日おめでと〜!」

「かんぱーい!」

結月君の代わりに…じゃないけど。

私と同じく、学年末テスト捨ててる勢の、私の友人達は。

今日という誕生日当日に、お祝いパーティーを開いてくれた。

会場は、学校近くにあるファミレスだ。

友達と集まってワイワイやるには、うってつけの場所。

いつもの愉快なメンバー、真菜と海咲、正樹と隆盛が集まってくれた。

いつもありがとう。

「さぁさぁ星ちゃん、好きなの頼んで良いよ」

「そうそう。今日は皆で奢るから。」

「ありがとー!」

今日は私も、ダイエットとか気にせず食べまくるわよ。

…って、そんなことをするから太るんでしょうけど。

今日は気にしないわ。

何食べよっかな。やっぱりケーキ?

でも、家に帰ったらお母さんがケーキ買ってくれてるのよね。

じゃあ、ここは…。

「いちごパフェにしよっかなー」

「お、良いよ良いよ。大盛りでも良いよ〜」

やったー。

友達って良いものだなぁ。

いちごパフェ一つで、現金な私である。

しかも。

「プレゼント買ってあるんだよ、星ちゃん」

皆それぞれ、私に誕生日プレゼントを用意してくれていた。

毎年のことだけど、ありがとうね。

「ありがと。嬉しい」

いくつになっても、誕生日プレゼントは嬉しいもの。

何をもらうかじゃなくて、その気持ちが嬉しいのよね。

「誰から渡す?」

「誰でも良いじゃん。はい、じゃあ俺から」

一番にプレゼントを渡してくれたのは、正樹だった。

そして、正樹のプレゼントは、毎年恒例…。

「ありがと。…中身何?」

「開けてみ?」

じゃあ、遠慮なく開けて…みたら。

出てきたのは、カップ焼きそばだった。

しかも、超超超激辛カップ焼きそば。

誰が食べるのよ、こんなの。

「あんたねぇ…。毎年言ってるけど、自分がもらって嬉しいものをプレゼントしなさいよ」

誕生日プレゼントは気持ちが大切、とは言ってみたものの。

だからって、正樹の毎年のおもしろプレゼントには困ったもんだわ。

去年は、超リアルなハンバーガーのペンケースだった。

その前は確か、ポテトチップス柄のスマホケースだったわね。

こんな感じで、正樹は毎年、所謂おもしろプレゼントを渡してくれる。

もらったときは笑い飛ばせるんだけど、家に帰って改めて見てみると、途端に冷静になるパターン。

「良いじゃん。今年は食べ物なんだから。食べてみてくれよ」

「こんな激辛なんて、食べられないわよ。全く…」

まぁ、正樹はこういう奴だから。

今に始まったことじゃないわ。

精々、本棚にでも飾っておくわよ。ありがとうね。