「おはようございます」
カフェのスタッフ専用の入り口を入り、ロッカー室で制服に着替える。

「おはよう」
「おはよう」
同僚に声をかけられて私が振り向く。
「今日も彼と一緒だったの?」
「うん」
「ねぇ、もう付き合っちゃえば?」
遠慮なく私に話しかけるのは、なんでも話ができたり、相談できる仲の竹内美里。
「そういうんじゃないから」
「ふーん。どうしてこんな幸せな状況なのに、彼の話をするといつも朱莉はそんなに苦しそうな顔するのよ。」
「そうかな」
「そうよ。あんなにイケメンで高学歴。優しくて朱莉を守ってくれるのに。理解できないわ~」
そう言いながら支度を済ませる美里。

私も支度を済ませてから、一緒に店内に入った。