そんな彼女の姿に見入っているとバチッと目が合った。


その冷たい視線を全身に感じた私は身構えるみたいに身体を固くする。



「久しぶり。元気にしてた？あの日から。」

「っ」

「あはっ。…そんなに警戒しないで下さいよ。
ほら、アタシのこと覚えてるでしょ？
前にお店でお話したじゃないですか。」

「……清美一花さん、ですよね。知ってます。
過去に春と関わっていたことも関係も全部、春から聞きました」



『過去』という言葉を強調して言った。

今はもう関係ないでしょう？とでも言うかのように。


すると一花さんは一瞬目を丸くさせたが、スグに口元に緩く弧を描いて「へぇ…」と呟いた。



「まだ忘れられてなかったんだ…」

「…？」



なん…だ？


そう呟いた一花さんは
なんだかとても不気味だった。

ニコリと微笑むその笑顔が少し怖い。