狭い路地までは店の裏出口を出ればスグ。
鍵のかかっている小さな倉庫がこの辺りのゴミの固め場所。
私が来た時には既に何袋かあって、周辺の店の人が先に入れに来たのだろう。
「くっら…」
そこにある唯一の街灯が普段よりも暗く、
薄暗い中、雨に打たれて鍵を開ける。
大雨のせいで既にびしょ濡れだ。
と。
「………、……?」
フッ と。
薄暗いこの場所に何かの影が私の視界をもっと暗くさせる。
さっきまで当たっていた大粒の雨が当たらなくなった。
誰かが、いる。
そう気がつくと、気配を感じるその方に素早く顔を向けた。
私に傘を差すその人。
ブラウンの小さな傘。
その下で
「 やっと1人になってくれた 」
不敵に笑う、彼女。
その人を目の当たりにした瞬間
「っ! ん──…!」
頭の中は真っ白になって
視界は黒く染まった。