「明日からのことなんだけどね」
最初に口を開いたのは橋本。
私の方を見ながら言うってことは、今から話すことは私が関係しているのだろう。
私は冷たいお茶を口に含み、軽く前のめりになって話を聞いた。
「キミの送迎は由紀子が担当する」
「送迎?」
「仕事があるだろう?そこに行く時と帰ってくる時は由紀子が送迎する。」
「いや…そこまでしなくても」
「俺がお願いしたんだ」
春が言う。
「前にあの本屋に一花が来たって言ってたし、万が一のことを考えてそうして欲しい。」
「でも春はどうするの?いつも由紀子さんが送迎担当していたじゃない」
「俺の送迎は橋本さんがするんだって」
「そう…」
てことは、明日からまた、春は仕事に。
当たり前のことなのに
モヤモヤして仕方がない。
行って欲しくないとでも言えば
春はまたここに残ってくれるのだろうか。
「安藤さん、明日からのお仕事の時間教えていただけますか?」
「あ…はい」
そんな気分の中、由紀子さんにシフトを伝える。
私も明日から仕事だ。
ズル休みをしてしまった分頑張らなければいけない。
切り替えないと。