「しない約束でしょ」
「えー? だって、」
春はそのまま私の頬に手を当てる。
「キスしたそうな顔してた。」
「してない」
「自分では分からないんだよ」
そしてまた、キス。
「欲しいって、顔してる」
「っ…………」
「あの人らがイチャイチャしてるの見て凛も欲しくなっちゃった?」
「うる…さいな」
「あれ、否定しないんだ?」
「したくなったけど、それがなに?」
「じゃあする?」
「しない。約束したから。」
「約束なんてただの口約束だよ」
言って、春は私を誘惑する。
「見られなかったら、バレない。」
トン、と。
壁に追い詰められたことにより、身体が壁に当たった。
後ろにも前にも逃げ場を失った私は
このまま春の誘惑に負けて……