***
慣れない夜会で存外疲れていたらしいわたしは、馬車の中で一人、ウトウトと微睡んでいた。規則的な揺れが気持ち良いし、何だか余韻みたいなものを感じてしまう。
(ホント、楽しかったなぁ)
たとえそれが意図的に作り上げられたものであったとしても、自分が自分らしくいられる場所があるのは有難い。お姫様扱いでありながら、それだけじゃない絶妙な扱いが、今のわたしにはとても心地良かった。
(……お父さんとお母さんは今頃どうしているかな?)
段々と城が近づいてきている。街の灯りを眺めていると、両親と暮らした町のことが思い出された。
(頑張ろう)
早くお父さんとお母さんに会いたい。おじいちゃんに『会わせても良い』って思ってもらえるように、及第点を叩きださなきゃいけない。
全てはわたし次第。
折角こうして息抜きもさせてもらったのだし、頑張らないと――――。
「――――――ライラに一目会わせてください!」
慣れない夜会で存外疲れていたらしいわたしは、馬車の中で一人、ウトウトと微睡んでいた。規則的な揺れが気持ち良いし、何だか余韻みたいなものを感じてしまう。
(ホント、楽しかったなぁ)
たとえそれが意図的に作り上げられたものであったとしても、自分が自分らしくいられる場所があるのは有難い。お姫様扱いでありながら、それだけじゃない絶妙な扱いが、今のわたしにはとても心地良かった。
(……お父さんとお母さんは今頃どうしているかな?)
段々と城が近づいてきている。街の灯りを眺めていると、両親と暮らした町のことが思い出された。
(頑張ろう)
早くお父さんとお母さんに会いたい。おじいちゃんに『会わせても良い』って思ってもらえるように、及第点を叩きださなきゃいけない。
全てはわたし次第。
折角こうして息抜きもさせてもらったのだし、頑張らないと――――。
「――――――ライラに一目会わせてください!」