「まだなんも始まってないのに。早すぎ」


「こういう天気の時の、セーラー服が肌にひっつく感じとか、すごい嫌なの」


「確かに。それは嫌だ。けど、雨に濡れたセーラーはエロいね」


「何言ってんの、最低だね」



田邊が冗談なのか本気なのか、馬鹿みたいなこと言うから軽く流しておく。


_____ふと、隣からガチャ、とついさっき私がドアを開けるために出した音が同じように聞こえた。


隣の部屋から何故そんな音が聞こえるのか、意味が分からなくて無意識で身構えてしまう。



隣はここ数ヶ月間ずっと、誰も住んでいなかったはず。



いつのまにか誰か引っ越してきたのだろうか。