8時。この時間に家を出れば、余裕で学校に着く。

田邊が立ち上がって黒いリュックを背負う。


それを合図に玄関まで歩いていく。


そんなに長くない廊下。先に玄関についたけど、ローファーを履いている間に田邊に追いつかれる。



ローファーを履き終わったところで、靴箱の上に置いてある折り畳み傘を鞄の中に入れる。いけない、忘れるところだった。



「今日雨降んの?」


「降るよ、いかにもな天気じゃない?傘、かそっか?」


「いや、いいよ。ロッカーに折りたたみ入ってる」


「さすがだね、準備いい」