今夜はクレアの悪口で、バンバン食べてグイグイ飲んで、気持ちよく盛り上がろう!


 景気よくカクテルを飲み干した私を、スコットが面白そうに見ていた。


「俺を笑わせてくれる話があるみたいだね?」

「あるある、一緒に笑ってよ。
 アレの恋人って、紹介されたのが……」


 一緒に笑って、スコット。
 18歳から6年も引きずった私の初恋。

 彼の結婚式に新婦の付き添いを頼まれたのよ、私。



 受付の女性がバーに入ってきて、こちらにやってきた。
 スコットは優れた容姿と洗練された雰囲気をしているので、人に覚えられやすいのだ。


「モートン様、テーブルのご用意ができました」

「ありがとう。
 マリオン、続きは食べながらゆっくり聞く」


 案内された席に着き、メニューを開く。
 料理の注文はスコットにお任せにして、満席の
店内をゆっくり見回す。


 価格は良心的、内装や雰囲気も素敵だ。
 受付やウェイティングバーのスタッフの応対も
感じいい。
 それに料理の味がいいから、こんなに混んでる
のかな?

 お料理への期待に、胸が弾んだ。
 嫌なことは、美味しいものを食べたら、忘れられる。