風香はそれをどう思っただろうか。

 周りの友達は皆ゲームやらおもちゃやらを買ってもらっているというのに、風香には誕生日プレゼントもらクリスマスプレゼントも届かない。

 風香には悪いことをしたと思っている。

もっと親らしくなればよかった。子供のためにお金を使ってあげればよかった。

 ――今頃そんなことを考えたって仕方がない。

 もうこれは終わったことだから。



 けれど。

 風香のことを、未だに諦めきれない自分。

 それって、風香を手放したくないから。

 なのか……?



 強い風がぼーっと音を立てて吹きついた。

 瞬間的に後ろをじっと見る。

 オレンジの風船。

 あれは、風香の?

 ばっと駆け出した。

 こんなムキになって走ったのはいつぶりだろう。

 自分は風香に会って、どう言い訳すればいいのだろう。