「すずはなにしてんの?」

「んー、風香ちゃんらしき人がいたから追いかけてみたら、すずのお姉ちゃんも一緒にいて、今様子見中」

「へぇー、そう。なんで様子見なんだよ。話しかけりゃいいじゃねえか。久しぶりの再会とかなんじゃねえの? 風香、俺と話す時いっつもすずのこと喋ってきたぜ?」

 本当本当。

すずちゃんはこんな子でって、俺でも知ってるようなことだって話してくる。ま、別に可愛いからいいんだけど。

「へぇ。二人はすずのことを喋るくらいの仲なのか……。お似合いだねー、ふふふ」

「はあ?」

 すずがごそごそと立ち上がって、木箱から顔を出す。

「風香ちゃん、お姉ちゃん」

 二人はばっとこっちに目を向けた。 おいおいおい……。

 どうして俺がいるときに……。

「っ……!」

 風香が息を呑む。

暗闇の中で、その音がいつにも増して大きく聞こえる。ついでに俺の心臓も。