「あたし、見てしもうたんよ。ま、色々見たり聞いたりしてしもうてね、お母さんはふーかちゃんを捨てたんだよ。あたしはずっとふーかちゃんの近くにいたんやけど」

「私、知ってるかもしれない。ずっと見られてる気分で居た堪れない気持ちだったの。もしかして、それってアヤセちゃんだったの?」

 きっとそう。あたし、アヤセ流羽はずっとふーかちゃんとお母さんを観察してきたんだから。

「ふーかちゃんはお母さんに捨てられて、悲しいとか思わないん?」



「……私は透明人間になりたいんです」



「え……?」

「透明人間って、素敵ですよね」

 ふーかちゃんってば、壊れちゃった? 突然変なこと言い出して。にしては不気味な笑顔向けてくるし。

どーしよっか。これってあたしのせいなんかな。