口に出すと、余計にそう思えてくる。
この『里帰り出産』『浩之と遥の部屋を繋げる』のキーワードから推測すると、そうなるだろう。

恐る恐る聞く私に対し、三人はきょとんとした目をしていた。

「ちょっと待て、浩之は遥と結婚の話をしていなかったのか?」
「俺も今更言われても……正直困る」

二人の言葉に、頭がクラクラとなる。

相手が誰だと言われても受け入れよう、確かにそう思っていた。
だけど、まさかお兄様だったとは……!

正直、青天の霹靂すぎる。
頭がパンクし、気がどんどんと遠くなっていた。




とりあえずこの話は一旦保留にし、追々考えることにしようと、話し合いはおひらきとなった。
私は相変わらずクラクラする頭を抱えながら、一人ベッドで横になっていた。

(……おかしくない?)

いや、確かに私は養子だから、法律上はお兄様と結婚はできる。
だけど普通に考えて、だ。


(いや、絶対無理でしょ!)

第一お兄様が私を"妻"として見れるのか?
いや、無理だろう。普通に二十年以上も妹だった私と、夫婦になるなんて。