翌日は休日で、珍しく家族全員が集合した。

「遥、話がある」
そう言ってお父様は、家族全員をリビングに集合させた。

私達は四人家族だ。
お父様──養父の忠弘(ただひろ)は大企業、北大路工業の社長。
お母様──養母の(あや)は一応専業主婦だが、社長夫人としてお父様をしっかりと支えている。二人とも私の大好きな人達。
そして子供はお兄様と、養女である私の二人だ。


「浩之が来週二十八歳になるな」
「そうですね」
「もうそろそろ二人の婚姻について、話し合ってもいいと思っている」

まぁそろそろだろうな、とは思っていた。
私ももう二十五歳。結婚してもおかしくない年齢だ。見合いの準備も進めている頃なはず。
相手が誰だと言われても受け入れよう、ずっとそんな心の準備はしていた。



「それで浩之、どう考えている?」
「できれば入籍日は土曜日の大安がいいと思っています。式までは少し時間を頂きたいかなと………」

(んんん?)
正直違和感が満載だ。