「夕衣…可愛すぎ」



…いや…それは有難いですけど…




「大翔…いや、だからね…?
 見られてる…っていうか…」




その時、隣を通り過ぎた中学生くらいの子が

あたし達を見た。



「見んじゃねぇ」



大翔はそう言って、参考書であたし達の顔を隠した。




そして、またキスをした。



「………バカ///」



「夕衣、好きだよ?」



「うん、あたしも…///」




ねぇ、大翔。




あたし確かに幸せだったよ?




この時は…。





あんな地獄を見るなんて




この時のあたし達は




思いもしなかったよね…?