俊は昨夜遅くに木村と話した事を思い返す。


「先輩ッ!僕が薫先生をですか?!」
『ああ、そうだッ!お前が彼女を乗せて行くんだ』

「まぁ、イイッスけど・・なんで?」
『他の奴だと・・その・・ちょっと困る』

「先輩、何が困るんですか?」
『とにかく約束しろ!』

木村は少しだけ間をおいて、合点がいったという具合に頷いた。

「先輩、OKデスッ!まぁ、そういう事か」



電話を切ってから、大月の言った事が気になる。
僕は木村のスマホに連絡して、薫の事を聞いた。

何で?どうして?木村に責任もってお前が車に乗せろって約束したはずだろ?
木村はわからないけど、すみませんと謝ってくる。

『わかった。探してみるよ』