「…俺、北條より格好いい?」
「へっ?当たり前だよ…!千隼くんは私にとってずっとずっといちばん!」
この先も、ずっとずっと。
千隼くん以外の人はいないよ。
もし万が一いたとしても、その人たちは2番だ。
どう頑張っても2番にしかなれない。
「あっ、千隼くんはパンケーキとか好き?」
「パンケーキ?」
「うん!甘いもの苦手だったりする…?あのね、すごく美味しいパンケーキ屋さんがあってねっ、その、いつかっ」
「いこう。…早めに行こう」
「うん!!」
パンケーキなんか誘わなければよかった。
そう、私は後悔することになる。
「うわ、顔すごい変わってる…」
「あははっ!千隼くん、普通でもパッチリしてるから女の子みたい!」
「……気持ち悪くない?これ」
「そんなことないよっ!かっこかわいいっ」
春休みが近づく放課後。
私と千隼くんがまず向かった先は、ゲームセンター。
「彼氏とプリクラ撮るのが夢だった」と言った私に、なんと千隼くんは許可してくれたのだ。
「なんか自分の顔がシールになるって恥ずかしいな…。用途が分かんない」
「ふふっ、眺めるの!枕の下とかに入れとくと夢に出てきてくれるかもだしっ」
「…枕のした、か」